公開日 2022年05月26日(Thu)
5月23日。5・6時間目に「人権セミナーin霧島高校」がありました。
テーマは・・
「ネットリテラシー」「ソーシャルスキルトレーニング」
講師の先生は
子どものネットリスク教育研究会鹿児島県支部長 戸髙 成人さんと
アンガーマネジメントインストラクターのお二人で講演頂きました。
<ネットリテラシー>
ネットポリス鹿児島の時は情報モラル教室で主なテーマは
危険・・ 危ない・・ 怖い・・という
「触れさせるな 触らせるな 持たせるな」でした。
しかし,平成18年にはデジタルシチズンシップ教育の導入が始まっており,
そのテーマは・・・
ネット社会は決して特別な社会ではなく,現実社会の延長線上に存在し,ひとつの地域社会として捉えるようにする。 そして,そこにいる住民(シチズン)がどうやったら安心安全な利用・活用ができるのか? また,ネット社会の秩序を守るためにはどのような規範意識,教育をしたらいいのかを皆で一緒に考えて行きましょう。 また,成長期の子どもにとって「心」や「身体」の発育にリスクが生じることもあり,それを知った上で,子どもたちにはどのように利用の仕方をさせたらいいのか大人も一緒に考えて行きましょう。 |
でした。
GIGAスクール(デジタル教材導入)が叫ばれている中,情報モラル教室の
「触れさせるな 触らせるな 持たせるな」
というテーマは時代に合わない。
今まではメディアを通じて,
テレビを見る,新聞を読む,ラジオを聴くという情報を消費する側。
今は情報端末を持っている,公然として扱われるインターネット上に
自ら自分で製作,著作,発信するようになる。
いわゆるテレビ会社や新聞社と同じ立場になった。
・・・「責任」・・・が伴う!!
見た人,聞いた人,読んだ人が
どのように受け止め感じたのかまで配慮しないといけない。
自分はいいと思ったかもしれないけど,
相手を不愉快にさせたかもしれない・・・
悲しませたかもしれない・・・
そこで大切な事は個人の持っている「倫理観」。
だから「倫理教育」が必要になってくるわけです。
スマホ等の端末を所持使用者は増えているが,
SNS上でのトラブルは10年前からすると10分の1。増えていない。
そして,そのトラブルは「倫理観」の問題で
ネットポリスが発動する案件はない。
機密情報と個人情報の違い,情報漏洩について
問題点など身近なニュースで紹介されました。
<ソーシャルスキルトレーニング>
アンガーマネジメントとは・・・
【怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング】
日常生活で「イラッ」とすることは誰でも起こりうる。
その感情を持つことが悪いわけではない。
問題なのはその感情を表現することではなく,
感情にまかせて問題行動を取ってしまうこと。
ネット上でもリアルでも相手がいるから成り立っている。
見えていない部分を見てコミュニケーションを取ること,
情報を増やすことで見えてくるものがある。
人はコミュニケーションを表情でも覚えていく。(赤ちゃんのように)
今なぜ,SNS上でトラブルが多いか?コミュニケーション不足になるか?
それは。文字のみというリアルよりも見えていない部分が多いのに
自分の価値観や自分の知っている基準で判断してしまうことにある。
「怒りは敵と思え」(徳川家康)
瞬間的な怒りで我を忘れて爆発してしまうと自分や自分の周りの人に迷惑をかけ人生を狂わすことになるので怒りは敵と思いなさい。
怒りに振り回されているうちは自分の実力は発揮できない。そしてその怒りに対して科学的に考えそれをコントロールすることをアンガーマネジメントと言っている。自分を守るために身につけたい。
アンガー(怒り)マネジメント(後悔しないこと)・・
私たちを怒らせているものの正体・・
理想・・自分の価値観「べき」
「べき」が強い人ほど怒りを感じる事が多い。
これは自分の価値観の「べき」であり,人それぞれ違う・・
過去と人は変えられない・・でも自分と未来,考え方は変えられる。
外のせいにしている内は,「怒り」をコントロールできない。
自分の「べき」は捨てなくてもいい。
でも,手放せる「べき」は手放した方が良い。
アンガーマネジメント。心理トレーニング。
感情が生まれてから6秒待つ!!
特にSNS上で「イラッ」として反射するのではなく,自分の発する言葉を書く。
自分のコメントが変わると相手のアクションが変わる。
<生徒の感想>一部抜粋
- インターネットの世界では相手が見えないから相手やその先にいる人たちのことを考えて発言しないといけないことや,自分が出した情報や発言には責任が伴うのだと分かりました。
- 行動嗜癖のことについて講話され,自分もスマホやゲームがそうなんじゃないかと思い,もう少しスマホやゲームに対して考え直そうと思いました。
- 私はイライラしたらすぐ言ってしまうタイプなので,6秒という間を置けばいいことを知れて,それを実生活に生かしたいと思いました。
- もし「イラッ」としたら6秒待って落ち着くことを学びました。
- 自分たちは,「べき」という自分の価値観で怒ってしまうんだとビックリした。
- 最近,頭痛がする理由が分かった。反応障害という恐怖の病を知った。
- 「カツオ」だと思ったら「タラちゃん」だった・・・人は見た目で判断してはいけない・・(^_^;)
- 「檸檬」の漢字が難しかった・・・(^_^;)
など。
子どものネットリスク教育研究会鹿児島県支部長 戸髙 成人さん
アンガーマネジメントインストラクターの皆さま,
講演いただきましてありがとうございました。