公開日 2021年12月10日(Fri)
12月9日。人権講演会がありました。
講師の方は 宮内 礼治さん(日置市 宮内太鼓店主)です。
演題は「誇りを持って生きる」
太鼓製作の実演をプロジェクタに投影しながら講演いただきました。
太鼓づくりと人権・・何か関係があるのだろうか?
講演を聞く前はほとんどの人が,そう思っていたのではないでしょうか。
講話の内容はというと・・・
日置市にある太鼓店を父から受け継ぎ,店主となり働いている宮内さん。
通学途中にある店で太鼓づくりの様子を興味津々に見ている小学生に,
「凄い~」「どんな風に作るの??」など
ちょっとした会話のやりとりから・・・
「実はね~太鼓は牛の皮で出来ているんだよ~」と伝えたとき,
「牛さん・・可哀想・・」「ひどい・・」「残酷・・」など・・
「あたかも太鼓作りのために牛を殺す」ような伝わり方をしたようです。
こちらが伝えたい事・・
「皆が食べているお肉以外の副産物を大切に活用している」
なのだが・・・・
本当のことを知らないから,間違った噂や話が先走りしてしまう。
「偏見」や「差別」も同じだと思います。
小学生から気づかされた「牛の命を奪う」ことについて,考えてみよう。
牛はまさか自分が食肉になるため命を奪われることなど,
まったく考えていないでしょう。
ただ,もし自分が牛の立場になって考えると・・
・・・「助けてくれ~」「殺さないで~」・・・なのかな??
食べている人は,直接牛を殺して
美味しいお肉を食べるわけではありません。
しかし,お肉をいただく事が,直接殺さなくても
同じ行為をしているのと変わらない事に気づき,
「その命を奪う」という責任と感謝の気持ちを持って
「いただく」ことが大切なのではないでしょうか。
宮内さんにとっては「太鼓を作る」ことが
その責任を果たすことだと話されていました。
人権教育という観点でみれば,
- それぞれ立場になって考え,「なぜ?」という疑問を持ちながら知識を増やし生きていくこと。
- 先入観や少ない情報での思い込みで物事の優劣をつけてはいけない。
- 正しい知識を持ち,偏見を持たず正しい情報だけを伝えていく。(伝言ゲームのように,最初の内容が後になって変わっていくことがある)
高校時代に同級生から気づかされた「職業差別」の話や,インターネットで誤った情報として検索される危険な「被差別部落問題」など,体験談をもとに心へ響く講話をしていただきました。
自分でも気づいていない「偏見」や「差別」。
生徒の皆さん。
思い込みや不確かな情報による「偏見」や「差別」がないか?
もう一度自分の胸に手をあてて考えてみましょう。
宮内太鼓店主 宮内礼治さん。ありがとうございました。